AlSiP/铝硅磷

百合 依我看，您像是四处云游的样子呢......贵客您，是从哪里来，又要行至何处呢？
学圆 那么我就把具体的地名告诉您，您也就不必再问我是从哪处山口翻越而来的。如您所见，我在一所学校就职，夏天放假时参观学习，四处奔走......这么说来，现在也在归途上了。——清凉的木之芽隘口，是可以听见水声的流域里吧，（避开屋檐，抬眉望山）山峰上茶店里泡茶的妇人，事实上可以穿着红围裙接待我，就是司管疱痘的神在那里停下马车，都影响不了我。我还想翻过汤尾山隘口去。——要去落脚的地方是京都呢。
百合 那您往哪住呢？贵客，今晚去哪呢。
学圆 啊啊，冒冒失失地在别人家里住下可不是值得与人言说之事。落到话尾巴上，我也没有心无牵挂到了足以住在您家的程度。哈哈哈哈，不对，我开玩笑的。不用您担心我了，为什么呢，那位汤尾山隘口的泡茶妇，现在也可以接待我呢。
百合 住在山坡上或是山隘口处的人什么的，我还当这是人说谎呢，没想到竟是真的。
学圆 山谷里的姬百合（注1）花开绯红，也并非是什么不可思议之事。可，由此而去，仅剩下山川，叠叠累累，嗯嗯，若想想山巅处的话，......也略可看见火烧云，熊熊燃透层岩。这下，比起赤红色围裙的女招侍，反倒是雪女郎，对其中的河流更有利些，不管怎么说，都是暑热之事啊。——到了这里总算可以喘口气了。
百合 乡里也有人死了呢……真是酷暑重旱。
学圆 从今早起我就如艰苦修行一般地，在暑气里烦恼了八九里路——说来叫人怕，像样子的水，我走到这里才第一次见到。我看这算是清水。
百合 是从山背里的崖上奔涌而出，被导水道承接着落到此地的。虽是涓涓细流，可碰到石块，却作铃铃之乐音，这篇山谷，嗯嗯就叫作琴弹谷。贵客，那就是，可口的清水。......要我舀一杯端给您喝吗？
学圆 怎知我忍耐到现在，连钟堂都还未进过，却见到这清丽的水，还大头朝下张嘴汲饮，手胡乱猛抓着杯子咕咚咕咚地喝了。
百合 嘛啊，我又做了些什么呢，还不是一无所知地用这水淘米嘛。
学圆 不，斑白的水乃是经菖蒲扎染，一眼看去成了夕颜花的化妆，下游的水则果然是水晶。丝毫不显浑浊。说起来，我看全村的人们，似乎都因喝水的事为难，这里几乎走到了水源头，却发现没有人特意来汲水......这里，是另有什么曲折之事吗？

TBC

注释
（1）姬百合（Lilium concolor），开花于六至七月，花呈星形，色绯红或橙红。


百合　旅を遊ばす御様子にお見受け申します……貴客は、どれから、どれへお越しなさいますえ？
学円　さて名告りを揚げて、何の峠を越すと云うでもありません。御覧の通り、学校に勤めるもので、暑中休暇に見物学問という処を、遣って歩行く……もっとも、帰途です。――涼しくば木の芽峠、音に聞こえた中の河内か、（廂はずれに山見る眉）峰の茶店に茶汲女が赤前垂というのが事実なら、疱瘡の神の建場でも差支えん。湯の尾峠を越そうとも思います。――落着く前は京都ですわ。
百合　お泊りは？　貴客、今晩の。
学円　ああ、うっかり泊りなぞお聞きなさらぬが可い。言尻に着いて、宿の御無心申さんとも限らんぞ。はははは、いや、串戯じゃ。御心配には及ばんが、何と、その湯の尾峠の茶汲女は、今でも赤前垂じゃろうかね。
百合　山また山の峠の中に、嘘のようにもお思いなさいましょうが、まったくだと申します。
学円　谷の姫百合も緋色に咲けば、何もそれに不思議はない。が、この通り、山ばかり、重り累る、あの、巓を思うにつけて、……夕焼雲が、めらめらと巌に焼込むようにも見える。こりゃ、赤前垂より、雪女郎で凄うても、中の河内が可いかも分らん。何にしろ、暑い事じゃね。――やっとここで呼吸をついた。
百合　里では人死もありますッて……酷い旱でございますもの。
学円　今朝から難行苦行の体で、暑さに八九里悩みましたが――可恐しい事には、水らしい水というのを、ここに来てはじめて見ました。これは清水と見えます。
百合　裏の崕から湧きますのを、筧にうけて落します……細い流でございますが、石に当って、りんりんと佳い音がしますので、この谷を、あの琴弾谷と申します。貴客、それは、おいしい冷い清水。……一杯汲んで差上げましょうか。
学円　何が今まで我慢が出来よう、鐘堂も知らない前に、この美い水を見ると、逆蜻蛉で口をつけて、手で引掴んでがぶがぶと。
百合　まあ、私はどうしましょう、知らずにお米を磨ぎました。
学円　いや、しらげ水は菖蒲の絞、夕顔の花の化粧になったと見えて、下流の水はやっぱり水晶。ささ濁りもしなかった。が、村里一統、飲む水にも困るらしく見受けたに、ここの源まで来ないのは格別、流れを汲取るものもなかったように思う……何ぞ仔細のある事じゃろうか。


TBC